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横木裕宗(茨城大学)

概要

日本において気候変動に伴う水災害への悪影響はますます大きくなると懸念されるなか、様々な資源制約下で適切な適応策を講じなければならない。本研究では、全国の流域および沿岸域における気候変動による氾濫・浸水災害の影響予測と将来の社会動態の変化を含めた総合的な予測手法の高度化と、適応評価手法の開発を行う。

S-18-3(1)の概要

目標

  • 自然災害・水資源分野を対象として気候変動による影響予測手法の開発・高度化と将来の社会動態の変化を含めた物理的影響と直接被害を予測する(可能な限り1kmメッシュ単位)。本サブテーマでは海面上昇、高潮・高波浪、河川・内水氾濫等による浸水影響、影響人口等の物理的影響と直接的経済影響を定量化する。
  • 全国の流域・沿岸域における詳細な影響評価に基づいて、自然災害・水資源分野における気候変動影響の地域性の把握と項目毎の脆弱な地域を抽出する。
  • 自然災害・水資源分野におけるハードおよびソフトを含めた様々な適応策の効果を定量化する。浸水影響への適応策としては、グレーインフラ、グリーンインフラによる防護に加えて、社会動態の変化を考慮した順応、撤退の適応効果を評価する。
  • 浸水影響の被害額や適応費用などの経済評価を行い、適応策の選定基準を提示するなど、最適な適応シナリオの評価を行う。なお、マクロ経済への影響評価手法はテーマ5と連携して開発する。
  • 得られた成果は2025年頃に予定されている日本の第3期影響評価に資するものとし、国や地方自治体の適応計画策定に貢献する。

研究対象と計画

影響予測では、日本全国の河川流域および沿岸域を対象に、テーマ1が用意する共通シナリオ(気候シナリオ及び社会経済シナリオ)、サブテーマ3 (2)、3(3)からも提供される海面上昇、高潮・高波浪、河川水位の最新予測結果に基づき、氾濫による浸水の影響予測の高度化を行う。また、経済影響として、沿岸域および流域を土地利用グリッドに分けて浸水影響の直接被害額を算定する。

適応評価では、様々な適応オプションを提示するために、物理的な適応効果評価および適応費用評価を行う。適応オプションについては、グレーインフラ、グリーンインフラを組み合わせた防護の効果評価に加えて、人口減少下での順応、撤退なども含めた様々な適応オプションについてその効果および費用を算定する。さらに研究期間の後半には他サブテーマの知見や成果をも踏まえて、浸水・渇水影響の直接的な被害額と適応費用を算出し、複合的な影響予測と相乗効果を生む適応策を検討する。

想定している適応策

  • グレーインフラ、グリーンインフラによる防護
  • 人口減少下での順応、撤退