樋口 浩二

Koji Higuchi

サブテーマリーダー

農研機構/畜産研究部門

乳牛を対象にエネルギー代謝および窒素代謝研究を基軸として、飼料の栄養価評価、窒素利用効率の高い飼料の開発、暑熱の影響評価および適応策、代謝試験装置の開発等を行ってきた。本プロジェクトでは、家畜種(泌乳牛、育成牛、採卵鶏、肉用鶏、肥育前期豚、肥育後期豚)毎の影響予測を目指す。専門は家畜栄養学。

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概要

これまで気候変動の影響予測について十分な検討の行われていなかった家畜種である泌乳牛、採卵鶏および肥育後期豚を対象とし、環境調節室において精密な栄養試験を実施し、これらの家畜の生産性に及ぼす温湿度環境の影響を明らかにする。モデル化にあたっては農研機構メッシュ農業気象データシステム(約1km×1kmメッシュ)等を活用して気候変動影響の地域性を明らかにする。この解析には、既存の育成牛、ブロイラー、肥育前期豚のモデルも同様に適用し、従来の影響予測を高度化する。適応策については、情報収集や文献調査に基づき、効果が高く、畜産農家への導入のハードルが低いと考えられるものを候補としてその効果を試算する。同様に経済評価についても、本プロジェクトのシナリオをもとに生産性、被害額および適応策のコストの試算を行う。これらを通じて、畜産業に及ぼす気候変動の影響予測を地域性や経済評価を含めて示すとともに、本プロジェクトの全体目標である、気候変動影響及び適応策に関する新しい科学的情報の創出に貢献する 。

本課題の概要

目標

  • 泌乳牛、採卵鶏および肥育後期豚の生産性に及ぼす温湿度環境の影響をモデル化する
  • 既存の育成牛、ブロイラー、肥育前期豚のモデルも高度化する
  • 気候変動適応策については畜産農家への導入のハードルが低いものを選定し、その効果および経済評価を試算する

研究対象と計画

  • 泌乳牛を環境調節室で飼養し、環境温度・湿度が飼料摂取量や乳量等へ及ぼす影響を明らかにする
  • 採卵鶏を環境調節室で飼養し、環境温度・湿度が産卵成績、卵質等へ及ぼす影響を明らかにする
  • 肥育後期豚を環境調節室で飼養し、環境温度・湿度が飼料摂取量、体重等へ及ぼす影響を明らかにする

想定している適応策

  • 遮熱塗装による畜舎温度環境の改善