サブテーマリーダー

三村信男(茨城大学)

概要

プロジェクト全体の統括と気候シナリオと社会経済・適応シナリオなどの基盤的な情報の提供、対外的な成果発信・交流を推進する。全体会合及びアドバイザリー会合、テーマ横断ワーキンググループの設置などによってS-18研究全体の組織的推進を図る。さらに、IPCC第7次報告書やパリ協定等の国際的取組への貢献を図るとともに、「日本全体の影響プロファイル」把握のため、他の研究プロジェクト及び社会との研究交流と対話を推進する。

目標

  • 研究全体の総括
  • 気候変動の影響予測及び適応策の評価のための最新の気候シナリオ及び社会経済シナリオの提供
  • 我が国の気候変動影響の特性と適応策のあり方に関する知見の提示
  • S-18研究プロジェクトの成果を我が国社会(地域レベル)及び国際的に発信

研究対象と計画

  • 研究全体のフレームワークの構築・推進
    S-18 の研究目的達成のため、各テーマ及びサブテーマ間の連携を図り、研究の進捗管理を行う。そのため、毎年総会及びアドバイザリー会合を開催するとともに、S-18運営会議、横断的課題に関するテーマ横断WG を組織する。2 年目及び4 年目には全国規模の影響評価結果をとりまとめ、報告書として出版し、さらに、毎年、公開シンポジウムあるいは国際シンポジウムを開催する。
  • 共通シナリオの整備
    既存のプロジェクトで作成された気候シナリオデータを最大限活用し、共通気候シナリオを各テーマに配信する。さらに、影響評価分野の個別の要請に対応するため、統計的手法と領域気候モデルを用いた力学的手法の両手法によるハイブリッドダウンスケーリングによって、高解像シナリオデータを整備する。また、社会経済に関する共通シナリオ(人口分布、土地利用等)を既存の研究成果を活用して整備する。さらに、各テーマと協力して、適応策の種類、地域毎のオプションの組合せ等を検討し、適応シナリオを構築する。
共通シナリオの整備フレームワーク
  • IPCC AR7 やパリ協定における国際的取組への貢献
    パリ協定は2020 年に開始される予定であり、その実効性は、5 年おきのグローバル・ストックテイクで確認される。適応策に関するグローバル・ストックテイクの方法はほとんど検討されていないため、グローバルな気候リスク管理に向けた適応策の評価、評価指標、必要なデータなどについて枠組みを検討し、国際的な議論に発信する。
  • 他の研究プロジェクト等との積極的な研究交流と社会との対話
    広い範囲に及ぶ「日本全体の影響プロファイル」の把握のため、本研究プロジェクトと他の研究プロジェクトの成果や関係団体の取組の成果の統合を図る。また、地方公共団体の適応計画立案やその実施に貢献するため、地方公共団体のニーズを把握して、効果的な科学的知見の創出を目指す。こうした交流・連携ため、他プロジェクトも含めた研究交流会や行政・マスコミ・企業等との意見交換会を開催する。

想定している適応策

  • 本サブテーマでは、個別の適応策は対象としていないが、各テーマ・サブテーマと協力して、適応策の種類、組合せ等を検討し、適応シナリオを構築する予定である。