第12回 S-18セミナー:Integrating Climate Change Adaptation and Mitigation Strategies: Lessons from IPCC AR6 cycle(開催報告)
S-18研究プロジェクトでは、一般の皆様も交えて広く気候変動問題を考えることを目的にシリーズでS-18セミナーを開催しております。第12回目となる今回は、リオデジャネイロ連邦大学(UFRJ)およびリスボン大学(ULisboa)のJoana Portugal Pereira氏をお招きし、気候変動への適応と緩和戦略の統合:IPCC第6次評価報告書(AR6)サイクルからの教訓についてお話いただきました。報告と当日の資料を以下に掲載いたします。
本講演は英語で行われます。通訳はありません。
◆ 開催日時
2024年8月6日 (火) 10:30-12:00
◆ タイトル
Integrating Climate Change Adaptation and Mitigation Strategies: Lessons from IPCC AR6 cycle
◆ 講 師
Dr. Joana Portugal-Pereira
(Federal University of Rio de Janeiro (UFRJ) and the University of Lisbon(ULisboa))
◆ 講師紹介
Joana Portugal Pereira is a professor at both the Federal University of Rio de Janeiro (UFRJ) and the University of Lisbon (ULisboa). She served as a senior scientist in the Technical Support Unit of the Working Group III of the IPCC's Sixth Assessment Report (AR6). Her contributions to the IPCC include roles as a contributing author and scientific editor for the Special Reports on Global Warming of 1.5°C (SR15) and Climate Change and Land (SRCCL). She was a lead author of Chapter 4 and the coordinating lead author of Annex III in the IPCC Working Group III AR6.
リオデジャネイロ連邦大学(UFRJ)およびリスボン大学(ULisboa)教授。IPCC第6次評価報告書(AR6)の作業部会IIIの技術支援ユニットで上席研究員を務める。IPCCへの貢献としては、1.5℃の地球温暖化に関する特別報告書(SR15)および気候変動と土地に関する特別報告書(SRCCL)の執筆を分担し、Scientific Editor を務めた。また、第6次評価報告書(AR6)の作業部会III第4章のLead Author、および付属書IIIのCoordinating Lead Authorをそれぞれ務めた。
◆ 概 要
In this seminar, we will explore the interlinkages between climate change adaptation and mitigation strategies, drawing insights from the IPCC Sixth Assessment Report (AR6) cycle. This analysis will cover the latest scientific findings and policy recommendations, highlighting practical approaches for integrating these strategies to enhance resilience while reducing greenhouse gas emissions. The discussion will provide an assessment of urban areas' vulnerability to climate change impacts, as well as strategies for adaptation and mitigation.
本セミナーでは、IPCC第6次評価報告書(AR6)サイクルから得られた知見をもとに、気候変動への適応策と緩和策の相互関係について紹介します。最新の科学的知見と政策提言を取り上げ、これらの戦略を統合して、温室効果ガス排出量を削減しながらレジリエンス(回復力)を高めるための実践的アプローチに焦点を当てます。さらに、都市部の気候変動影響に対する脆弱性評価および適応と緩和のための戦略についても議論します。
◆ 報 告
セミナーでは 1) IPCC、AR6、AR7 などの概説、AR7 では都市域に焦点をあてた検討に向けて準備が行われていること、2) AR6 を通じて得られたこと、3) ブラジルにおける食料・エネルギー分野の気候変動影響評価の事例、AR6 で得られた成果の社会実装に向けてのメッセージなどが紹介されました。
AR6 の担当を通じて得られた「適応のための行動は増加しているが、進捗にはばらつきがあり、適応のスピードは十分ではない」 「バイオエネルギーを通じた二酸化炭素削減戦略はネット・ゼロ・エミッション目標に向けての有力な選択肢であるが、農地と生態系サービスには競合が生じ得る」 「適応のための有効な一つ方法は温暖化ガスの排出削減だ」 などの見解が印象的でした。
質疑も活発に行なわれ、ご出席の皆様の関心の高さがうかがえました。
◆当日の資料
◆ 問 合 せ 先
S-18プロジェクト事務局(茨城大学水戸駅南サテライト内)
電話番号:029-297-3152 / E-mail:info[at]s-18ccap.jp ※[at]を@に置き換えてください。