第5回 S-18セミナーを開催しました:ビジネスと気候変動適応 〜リスク管理とビジネス機会〜(開催報告)
S-18研究プロジェクトでは、一般の皆様も交えて広く気候変動問題を考えることを目的にシリーズでS-18セミナーを開催しております。第5回目となる今回は、三井物産戦略研究所の本郷尚氏をお招きし、ビジネスと気候変動適応についてお話いただきます。どなたでもご参加いただけますので、多くの皆様のご参加をお待ちしております。下記、参加申し込みよりご登録いただくと参加方法(Zoomミーティング)をご案内いたします。
◆ 開催日時
2022年7月22日(金) 10:30 – 11:40 (最大延長12:00まで)
◆ タイトル
「ビジネスと気候変動適応〜リスク管理とビジネス機会〜」
◆ 講 師
本郷 尚氏(三井物産戦略研究所 国際情報部 シニア研究フェロー)
◆ 概 要
本講演では長期のリスクについては先ずは「知ること」、目前のことについては「BCPの整備」という観点より、ビジネスにおける気候変動適応について話題提供をいただきます。また、これを後押しする気候関連情報の開示と理解の重要性、S-18研究プロジェクトを含む気候変動研究に期待される成果についてもご説明いただきます。
◆ 問合せ先
S-18プロジェクト事務局(茨城大学水戸駅南サテライト)
電話番号:029-297-3152 / E-mail:info@s-18ccap.jp
◆ 報告
これまでのS-18セミナーは国立の研究所や大学の研究者による話題提供でしたが、今回は企業の視点から企業活動を実施・継続する際のリスク評価・管理についてお話をいただきました。ビジネスの視点を交えた講演であり、様々な観点から活発な質疑応答が行われました。下記、ご紹介します。
・企業活動はこれまでにも自然災害による被害を受けてきたが、事業継続計画(BCP)によりそのダメージを緩和し、早期の回復を図ってきた。この中で、気候変動による影響をどのように取り込んでゆくのか、アカデミアンとの対話が必要である。例えば、d4PDFによる分析を行った経験からその有用性の高さを実感しているが、より活用しやすいものとなることを期待する。
・ 現代はサプライチェーンが長く、その過程で気候変動のみならず、様々なリスクを想定しなければならない。また、国内で展開されている事業であっても、世界の様々な動向を注視することが必須である。
・業種によりリスクの評価・管理の時間スケールが異なる。例えば、工場生産は比較的短く、資源開発は長時間に渡って行われる。
・ 事業の集中による効率化のデメリットを見直すことで、いわゆるレジリエンスを高める機運がある。また、企業が従業員のみならず、地域市民の安全を考えることが重要である。